2004年05月27日(木) 02時56分
三菱ふそう 虚偽報告の可能性 クラッチ欠陥リコール 火災3件、事故18件(産経新聞)
大型トラックのクラッチ系統に欠陥があったとして、三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)は二十六日、「ザ・グレート」「スーパー・グレート」など十六万八千二台のリコール(無償回収、修理)を国土交通省に届け出た。この欠陥で人身事故三件、車両火災三件、物損事故十五件が発生していたが、三菱側は物損事故について同省に「極めてまれな事故」と報告、同省は虚偽報告の可能性があるとみて調査している。
リコール対象は、昭和五十八年六月−平成十一年四月の生産分で、現在の登録台数は約七万五千台。海外で使用されている五、六万台も同じ欠陥があるとみられる。エンジンの駆動力を伝えるプロペラシャフトと変速機のかみ合いが不適切で、長期間使うと高速走行時に震動が増大。エンジンと変速機を結ぶクラッチハウジングの強度不足で亀裂が生じて破損し、プロペラシャフトが脱落したりブレーキホースを破損する恐れがある。
十四年十月には山口県の県道でトラックがカーブを曲がりきれずに地下道出入り口に衝突し、男性運転手が死亡。横浜市の高速道路でも同月、走行中のトラックから脱落したプロペラシャフトが後続車に当たる事故があったが、三菱側はその二カ月後、国交省に「整備不良も関係する極めてまれな事故」と報告した。
三菱側は実際には、その時点で六十件以上の不具合を把握しており、国交省審査課は「虚偽報告にあたる可能性がある」として捜査当局と協議。三菱ふそうの塩澤秀幸・品質技術本部長は「その報告は把握していない」としている。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040527-00000002-san-bus_all