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2004年05月27日(木) 00時00分

点滴剤注射され患者死亡 横須賀の衣笠病院 東京新聞

 横須賀市小矢部二の衣笠病院で、心臓病で入院中の女性患者(86)が、高濃度の点滴用の薬剤を注射され死亡した医療事故が起きていたことが二十六日、明らかになった。会見した磯貝行秀院長は「重く受け止めている」と陳謝した。同様の事故は、四月に相模原市の北里大学病院で起きたばかり。この事故を受けて衣笠病院は安全対策を取っていたが、教訓は生かされなかった。横須賀署で業務上過失致死の疑いで調べている。

 同病院によると、女性患者は拡張型心筋症で今月十二日に入院。同十四日夜、心拍数が上がって危篤状態になったため、男性当直医(40)が抗不整脈剤「リドカイン」の静脈注射を指示。女性看護師(36)が注射用アンプル(濃度2%で五ミリリットル)と間違えて高濃度の点滴用アンプル(同10%で十ミリリットル)の薬剤を注射した。このため、女性患者は心拍数が下がりすぎ、心臓マッサージなどの処置を施したが、約二十五分後に死亡した。

 翌十五日、主治医が治療記録を調べたところ、アンプルの取り違えに気付いて看護師に指摘。

 看護師は、ミスを連絡した看護師長から、報告書を書くよう指示されたが、提出が遅れ、二十日になってようやく磯貝院長らが事故を把握。二十一日、遺族に謝罪し、同署などに届け出た。

 北里大学病院の事故後、「点滴用」と大きく書いた紙をアンプルに巻き付け、取り違えミスを防ぐ措置をとっていた。しかし、看護師はこの薬剤の注射は初めてで、危険性についても認識していなかったという。

 同病院は再発防止へ、点滴剤に混ぜて濃度を薄めるアンプルの使用を止め、初めから点滴用に濃度が薄められている希釈製剤に替えた。また、院長への報告に六日もかかり、死因解明の解剖もできなかったことを反省し、院内の安全対策委員会で口頭による迅速な報告を義務付けるようマニュアルを改善する方針。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040527/lcl_____kgw_____004.shtml