2004年05月24日(月) 02時49分
消費生活センターがパンク状態 架空請求相談12万件(産経新聞)
昨年度 全体の1割近く/前年比6.5倍
身に覚えのないダイヤルQ2などの請求が、ある日突然、メールや手紙で届く架空請求に悩まされる事例が急増している。昨年度、各地の消費生活センターに寄せられた相談は、前年度に比べても約6.5倍。ハイペースの増加に、各地のセンターの電話はパンク状態。相談の増加は、相次ぐ個人情報流出との関連も指摘されているが、受け手の各センターでは、頭を抱えている。
国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた昨年度の相談件数は約十二万件。十五年八月以降は、毎月一万件台のペースで推移しているという。十三年度(約千四百件)の八十五倍、十四年度(約一万八千四百件)と比べても六・五倍で、加速度的に増えている。
各地のセンターにはさまざまな苦情や相談が寄せられるが、全体の相談件数に占める架空請求問題の相談数は十三年度は0・2%にすぎないのに、十五年度は9・6%にのぼっている。
東京都消費生活総合センターは、ウイークデーの午前九時から午後四時まで相談に応じている。電話は十回線あるが、連日どの時間帯でもかかりにくい状態が続いている。十四年度は全体で約三万件の相談があり、架空請求に関するものは約四千件。十五年度は全体では約三万件で横ばいだったが、架空請求問題は約一万件となった。同センターでは「架空請求以外の相談が入りにくくなっている」と話す。
大阪府消費生活センターも連日、三回線ある相談電話はつながりっぱなし。昨年度の架空請求に関する相談は三千九百七十七件と、前年度の三倍に。「これほど一種類の相談が殺到したことは過去にない。相談する人にとっては初めてのことで不安も大きく、いい加減な対応はできない」と担当者。
国民生活センター相談調査部の渡辺優一さんは「電話番号やメールアドレス、住所のいずれかが分かれば現金を請求できてしまうのが架空請求の特徴。特にメールの場合、アルファベットを組み合わせて無作為に送信できるソフトもあり、被害が減ることはなさそう」とみる。
ただし、行政のスリム化の流れの中で、国民生活センターでさえ、直接の相談業務は縮小せざるを得ないのが実情。各地のセンターも相談員増は難しく、打つ手がない状態が続きそうだ。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040524-00000018-san-soci