2004年05月20日(木) 00時00分
NTTドコモが鉄塔を撤去へ〜いわき・鹿島(朝日新聞・)
NTTドコモ東北は19日までに、いわき市鹿島町地区に建設した携帯電話の基地局の運用を断念し、鉄塔を解体撤去することを決めた。基地局を運用するとテレビの受信障害が起きる可能性が高いうえ、鉄塔の撤去を求める住民たちが、受信障害を解消する設備の設置に同意しなかったため。基地局が運用されないまま撤去されるのは東北で初めてという。
基地局は高さ40メートルの鉄塔。00年9月、鹿島町地区の半径1キロをカバーする目的でドコモが約8千万円をかけ建設した。しかし、電磁波による健康不安を訴える周辺住民が撤去を要求。ドコモは「人体への悪影響はない」と説明していたが、いわき簡裁の民事調停も不調に終わっていた。
また、この基地局を運用すると、地区内で受信できる在京キー局の電波受信に障害が起きる可能性が高いことも問題化。ドコモは、電波障害を解消する受信用フィルターを約130世帯に無料配備することにした。
ところが、フィルターを配備したのは約80世帯。残る50世帯の大半は配備に同意しなかったため、ドコモは基地局の運用を断念した。一帯では同社の携帯電話が使えない状態が続くことになった。
基地局の運用に反対してきた鹿島町久保1区の前区長、佐藤和良さんは「住民がまとまって反対と撤去を求めてきた成果が実り、とてもうれしい」と喜んでいる。
(5/20)
http://mytown.asahi.com/fukushima/news02.asp?kiji=5794
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