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2004年05月19日(水) 00時00分

「おれおれ詐欺」巧妙化し再急増 警官かたり孫や子の名前も 中日新聞

 一時沈静化していた「おれおれ詐欺」が再び急増している。電話の手口も巧妙化。被害者の子供の名前を名乗ったり、警察官をかたったりするなど、以前のように単純な「おれおれ」ばかりではなくなっている。

 愛知県警によると、おれおれ詐欺の被害届は昨夏から増加し、年末から一月にかけて月間百件を超えていたが、三月には三十件(被害額約三千百万円)に減っていた。ところが四月には一転、その四倍近い百十七件になり、被害額も約一億三百万円とピーク時と同じ一億円台に戻った。

 特に、犯人側が電話をかける人の住所と子供や孫の名前を把握した上で、「〇〇だけど」といきなり子や孫の名前を名乗って送金を頼み込む例が一般化しているという。

 多重債務者リストなど流出した個人情報を犯人グループが入手して悪用しているとみられる。

 その中でも警察官を名乗る手口が急増。地元警察署の交通課員を名乗って「おたくの〇〇さんが事故を起こした」と言い、示談金の送金を要請するケースなどが、四月は四十件(三月は十二件)もあった。中には「息子さんの携帯電話は押収したので、通じない」と告げ、確認の電話を封じる犯人もいた。被害者の年齢も高齢者だけではなくなり、警察官をかたった手口の被害者の平均年齢は四十二歳で、最年少は二十六歳だった。

 三重県でも今年、昨年一年間の同四十五件を上回る計六十件が発生。交通事故の示談金名目が最も多く、警察の交通課員を名乗るケースも昨年中は一件だったが、今年はすでに十二件起きた。三月には、犯人役と息子役の二人組で「息子をさらった」「母さん、助けて」などと脅迫電話をかけ、現金振り込みを要求する「おれおれ恐喝」も連続六件起きている。岐阜県警は、今年一−四月で五十五件の被害届を受け、うち十四件は警察官を装う手口。また、弁護士を装って「あなたの夫が事故を起こした。妊娠中の私の妻が被害を受け、けがをした」と電話で責め立てた例もあったという。

 警察では、電話で「おれ、おれ」と、名乗らないまま孫か子供からのように高齢者に勘違いさせて送金させる手口は周知されたが、手口が変わったことが急増の要因と分析。「警察官が示談の仲介をすることは絶対にない。だまされないで」と注意を呼び掛けている。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20040519/eve_____sya_____011.shtml