2004年05月19日(水) 17時56分
逮捕の東京ゼネラル社長、300億円返済猶予を懇願(読売新聞)
商品先物取引大手「東京ゼネラル」の虚偽報告事件で、逮捕された同社社長の飯田克己容疑者(65)は約300億円の運用を同社に委託した「情報産業労働組合連合会」(情報労連)に、直筆の手紙で「資金の保全は十分で絶対に迷惑はかけない」と償還猶予を求め、「ホテルが近く売れる」などと言って返済を先送りしていた。情報労連の委託資金のうち約230億円は未返済で、飯田容疑者が様々な口実をつけ、引き延ばしを図っていた実態が浮かび上がった。
東京ゼネラルは1993年10月、情報労連から約300億円を5年間で運用するよう委託され、元利を合わせて約389億円を償還する契約を結んだ。
関係者によると、飯田容疑者は、償還目前の98年10月、同時に逮捕された側近の元専務・向野(むくの)忠洋容疑者(60)に手紙を持たせた。同社はそれまでも資金繰りがつかないことを理由に、「運用利益分(約85億円)だけ償還する。元本は再運用させてほしい」と提案していたが、情報労連は当初契約通りの支払いを求めていた。
手紙では、元本支払いが滞っている理由について、「手を尽くしたが、昨今の金融情勢ではおぼつかない」「先物取引運用及び商品ファンド運用が不振だ」と説明。そのうえで、「我々は懸命に取り組んで参る所存だ。元本部分の償還はあと3年の猶予をいただきたい」と訴えていた。さらに、「どうか1度だけチャンスを与えてください。資金の保全は十分しており、絶対みな様にご迷惑はおかけしません」と懇願し、「何とぞ大英断を切にお願いします」と結んでいた。
しかし、情報労連側は手紙を送り返し、元本返済を改めて強く求めた。情報労連によると、飯田容疑者は「ハワイに所有するホテルが近々売れそうだ。数十億円になる」と何度も返済を約束する言葉を繰り返したが、実現しなかった。(読売新聞)
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