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2004年05月15日(土) 00時00分

点滴針を誤って刺す? 県立下呂温泉病院で男性死亡 東京新聞

 下呂市の県立下呂温泉病院で十三日、同市の男性入院患者(82)が、点滴針の交換を受けた後に容体が急変し、死亡した事故を受け、同病院の大熊晟夫院長は十四日、県庁で会見し、内科の主治医(33)が誤って針を右肺に刺した可能性が高いことを明らかにした。萩原署は司法解剖の結果、病死と断定したが、病院側は「結果的に患者が死亡したことを重く受け止めている」として謝罪した。

 大熊院長らによると、死因は気胸による呼吸不全。事故は、栄養補給の点滴のため首から右鎖骨下にある静脈に直径三ミリの注射針を刺す中心静脈栄養法の手術で起きた。

 方法が確立している一般的な手術だが、熟練医でも100%の事故防止は不可能という。

 男性は重度の糖尿病で肺炎を併発し、左肺の機能を失った。内科医は、男性の右肺が肥大していたため、エコーを当てて血管までの深さを確認し、細い針で試した後に点滴針を刺した。その際、右肺の先端を傷つけてしまった可能性があるという。

 大熊院長は「遺族に事実を伝え、おわびした。通常はほとんど死に至らないが、悪い条件が重なった。ミスと合併症の線引きは難しいが、今回はやむを得ない合併症と考えている」と述べた。

  (小沢 伸介)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/gif/20040515/lcl_____gif_____002.shtml