2004年05月15日(土) 00時40分
Winny事件、開発者逮捕は不当 京都と大阪の10人が弁護団(京都新聞)
「京都府警の強引なやり方に憤りを禁じ得ない」と述べる金子容疑者の弁護団(京都市中京区・京都地裁記者クラブ)
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ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、公開して違法コピーを助けたとして、著作権法違反ほう助の疑いで逮捕された東京大助手金子勇容疑者(33)の弁護団が14日、京都市内で記者会見した。「ウィニーはネットワーク社会に有用なシステム。逮捕は日本のソフトウエアの開発環境を揺るがす」と述べ、京都府警の逮捕を厳しく批判した。
弁護団長の桂充弘弁護士らは、金子容疑者は技術的検証としてウィニーを開発、公開しただけで、著作権侵害の意図はなかった、と強調。「ウィニーの利用者に(違法な)取り扱いがあったとしても、法律を改正して対応すべき問題だ」と指摘した。
さらに「ほう助というあいまいな要件で開発者を取り調べれば、創作活動を抑制する」とし、「世界レベルでソフトの開発競争が進んでおり、10年、20年後の日本の大きな損失になる。府警はすみやかに釈放するべきだ」と主張した。
弁護団は刑事弁護やハイテク分野に精通した京都、大阪の弁護士10人で構成している。京都地裁に金子容疑者の拘留理由開示を請求したことも明らかにした。
■応援ホームページに募金活動も
インターネット上の掲示板で「47氏」として知られていたファイル共有ソフト「ウィニー」の開発者の金子容疑者が逮捕されたことを受けて、インターネット上で14日までに、逮捕を批判する書き込みや、応援するホームページなどが開設されている。
金子容疑者の弁護団によると、ネット上で同容疑者を支援する輪が広がっており、知人らが募金活動を開始。弁護団や支援者が開設した裁判費用に充てるための口座には、現在までに約170万円が集まっている、という。
インターネット上の複数の掲示板では、「悪用されたら逮捕されるのではソフト開発ができない」「開発者を逮捕するのは間違っている」などの書き込みがある。(京都新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040514-00000059-kyt-l26