悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
石油製品の価格上昇が回復基調の日本経済にも影を落としつつある。
消費者に身近なガソリンや灯油はじりじりと値上がりが続いている。石油情報センターによると、全国平均のガソリン価格は10日現在、1リットル当たり107.5円(税込み)。3月上旬から約2円上昇した。4月に茨城県の製油所で火災が起き、国内の原油精製能力が落ち込んでいることも押し上げ要因だ。
原油高による収益圧迫を避けようと、元売り各社は4月分から卸値引き上げをスタンド業者に働きかけている。末端価格の上昇はこれを受けた動きだが、元売りは「転嫁はまだ不十分」との姿勢で、6月分も値上げに動く見通しだ。
影響は、ガソリンや灯油だけではない。原油から精製されるナフサや重油は、化学製品の原料や産業用燃料として幅広く使われている。大和総研は「原油価格が1割上がると、企業の経常利益が全産業で1.7%減る」と分析する。
三菱化学の04年3月期決算では、石油化学事業の売上高は大きく伸びたものの、原料のナフサ価格の高騰が響き、営業利益は前年度に比べて微減に。今年度も「さらに価格が上昇することは覚悟している」(幹部)としており、製品値上げを検討中だ。
また、原油が1ドル上がると、東京電力では火力発電の燃料費が通期で290億円膨らむ。商船三井は、燃料単価が1ドル上昇すると3億円の減益となる。現在は04年度の想定レートを15円ほど上回るが、「長期契約が多く、運賃には転嫁しにくい」(奥田正財務部長)という。
(05/14 02:39)