2004年05月14日(金) 15時02分
呼吸器外し死亡「安楽死要件満たさず」…羽幌病院会見(読売新聞)
北海道羽幌(はぼろ)町の道立羽幌病院で、当時勤務していた女性医師(32)が男性患者(90)の人工呼吸器を取り外して死亡させた問題で、佐藤卓(たかし)院長らが14日、記者会見し、事実関係を認めたうえで「(安楽死の要件を)満たしていない」との見方を示した。
脳死状態だったかどうかの診断や延命治療の停止については、医師が単独で判断したことで、「病院として決めたことではなかった」とした。
佐藤院長らによると、患者は2月14日午後1時ごろ、心肺停止状態で搬送されてきたため蘇生(そせい)措置を行った後、医師は「脳死状態にある」と判断し、患者の家族に延命治療を停止するかどうか尋ねたという。
「瞳孔散大」「対光反射消失」の状態から脳死状態とみなしたというが、同病院は臓器移植法の脳死判定マニュアルに規定された全項目を確認する体制はなく、チェックは行わなかったという。
15日午前、家族が人工呼吸器を取り外すよう要請してきたため医師自身が外した。患者は、搬送後に体調が悪化し続け、すでに余命数時間の状態となったが、家族に対してその説明はなかったという。道には、事件の約2週間後に報告した。
佐藤院長は「回復不能な状況のなか、主治医は家族の意思を尊重したのだと思う」と弁明したが、「私が主治医だったら、人工呼吸器を外さず自然死させる。事前に相談して欲しかった」と話した。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040514-00000307-yom-soci