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2004年05月14日(金) 00時00分

白い団体の行方 パナウェーブ研究所(上)朝日新聞・

福井での定住 明言

  白ずくめ団体「パナウェーブ研究所」のキャラバンが福井市五太子町の拠点施設に入って1年が過ぎた。キャラバン用の車両の多くを廃車にした団体は、地域との共存を主張し、福井に定住する構えだ。これまでに団体特有の活動でメンバー2人が死亡し、違法行為で7人が逮捕された。幹部は再発防止を誓うが、「電磁波(スカラー波)攻撃からの防御」など団体の行動の根拠とする「思想」は堅持したままだ。




13日のパナウェーブ研究所。
約40人のメンバーが集団生活をしている=福井市五太子町で


●謝罪

 「心より反省し社会の皆様におわび申し上げます」

 4月22日、不正車検事件の初公判のため、背広姿で福井地裁1号法廷に現れたパナウェーブ研究所代表の長谷川邦男被告(51)は、弁護側や裁判長の質問に対し、それぞれ、はっきりと謝罪の言葉を口にした。

 弁護側の「もう違法行為はしないか」との質問には「二度としない決意です」「行動を抜本的に見直します」とも話した。

 その一方、長谷川被告は、「スカラー波攻撃」からの防御の必要性を法廷でも主張した。防御のための活動の中で起きた違法行為の再発防止策については、「話し合っている」と述べるにとどめた。

 不正車検事件は昨春、ワゴン車約20台を連ねて岐阜、長野、山梨をキャラバンした団体が、「スカラー波攻撃を防ぐため、車列を乱せない」などとして、4台の車を車検場に出さずに車検を更新したとされるものだ。

 検察側は冒頭陳述で、長谷川被告が「無農薬で大至急調理して欲しい」という合言葉を用い、部下に不正車検を指示、福井市内の自動車整備販売会社に約18万円を支払っていたと指摘した。

 虚偽有印公文書作成・同行使、道路運送車両法違反に問われた長谷川被告や自動車整備販売会社元役員らの判決公判は今月25日にある。

●避難

 事件の舞台になった昨年4月から5月にかけてのキャラバンで、当時、団体は県道上での越冬を終えた和泉村から、団体のドーム形施設がある山梨県大泉村を目指していたといわれる。




パナウェーブ研究所のキャラバンが当初、
目的地にしていたとされるドーム形施設
=03年5月1日、山梨県大泉村で


 当時、大泉村幹部は団体関係者から「まもなく惑星が大接近し、大災害が起きる」と聞かされた。捜査関係者は「そうした考えに基づき、団体はドーム形施設に避難するつもりだった」と話す。ドーム形施設で、共同生活をする構想だったというのだ。

 しかし、このころ、白ずくめ団体として、社会の注目を浴び、「オウム真理教の初期に似ている」と警察庁長官が評した団体は同村から入村を拒否された。昨年5月9日夜、福井市五太子町の拠点施設に戻り、8年ぶりに同施設で集団生活を始めた。

 団体の広報担当者は大泉村入りを断念したことについて、「近くに鉄の構造物があったり、アスファルトをひいていなかったりして(防御のための)条件を満たしていなかった」と説明する。そして、「再びキャラバンに出ることはないと断言できる」と福井での定住を明言した。

 この発言を裏付けるように、団体はドーム形施設に置いていた食糧を昨秋以降、福井市五太子町の拠点施設に運び込んだとみる捜査関係者もいる。団体はドーム形施設は売却したいとしている。


(5/14)

http://mytown.asahi.com/fukui/news02.asp?kiji=3754