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オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害や元信徒の田口修二さん殺害など7事件で殺人などの罪に問われた教団元幹部・早川紀代秀被告(54)の控訴審判決が14日、東京高裁であった。中川武隆裁判長は、一家殺害について、「教団元代表・松本智津夫被告(49)=一審死刑、控訴=の指示通り実行するため、早川被告が先頭に立って行動した」と認定。死刑とした一審・東京地裁の判決を支持し、早川被告の控訴を棄却した。被告側は上告した。
この日の判決によると、教団を批判していた坂本弁護士(当時33)に対し、松本被告が危機感を抱き、早川被告らに殺害を命令。早川被告は現場で、ドアのかぎが開いていると松本被告に報告し、松本被告から家族とともに殺害するよう直接指示を受けた。
その後率先して居室に侵入して坂本弁護士と妻都子さん(同29)の所在を確認して、侵入の合図を送るなどのリーダーシップを発揮。坂本弁護士の両足を押さえ、都子さんの首を絞めた。
判決は、証拠隠滅のため遺体を山中に埋めるに当たっても指導役を果たしたとし、「実行犯の中では中心人物ではなかった」とする被告側の主張を退けた。
田口さん事件でも、脱会しようとした田口さんの口封じのため、共謀して殺害したと認定。「被告人の役割は小さくない」と述べた。
控訴審で弁護側は「オウムという特異な閉鎖集団の中で松本被告の命令を受け、抵抗できない心理的強制のもとにあった」とし、心神耗弱などを認めて刑を軽くすべきだと主張。判決は「各犯行は冷静に計画、謀議されており、被告の主体的な判断だった」と退けた。
坂本一家事件をめぐっては、松本被告のほか、実行役として早川被告ら5人が殺人罪で起訴され、全員が一審で死刑判決を受けて控訴。このうち岡崎一明(43)、端本悟(37)の両被告は二審でも死刑が維持され、最高裁に上告している。
早川被告は古参の幹部信徒。教団が「省庁制」を導入してからは「建設省大臣」だった。
(05/14 11:31)