2004年05月14日(金) 22時12分

＜ＮＴＴ＞営業利益、当期利益とも過去最高　３月期連結（毎日新聞）

　ＮＴＴが１４日発表した０４年３月期連結決算（米国会計基準）は、固定電話の減収を携帯電話の増収でカバーし、グループの売上高が前期比１．６％増の１１兆９５５億円となった。営業利益は同１４．４％増の１兆５６０３億円、最終（当期）利益は同２．７倍の６４３８億円で、ともに過去最高だった。日本企業の中では、営業利益はトヨタ自動車の１兆６６６８億円に次ぐ高い水準。

　売上高は、初の減少となった前期から、わずかに増加に転じた。ＮＴＴ東西、コミュニケーションズの固定電話系３社は前期に引き続き減収。携帯電話のデータ通信が好調なドコモは５．０％の増収だった。

　営業利益では、ＮＴＴ東西が減収分を上回るコスト削減を実現し増益。ドコモの海外投資損失処理を前期までに終えたことから、グループの最終利益も大幅に増えた。

　しかし、０５年３月期連結決算では、固定電話の減収が続くのに加え、携帯電話もデータ通信サービスの値下げや定額制導入の影響が出ると予想。売上高は１．８％減の１０兆９０００億円、営業利益は２４．３％減の１兆１８００億円まで落ち込むと見込んでいる。

　ＮＴＴの和田紀夫社長は会見で「０５年３月期は右肩下がり。ＩＰ電話や光ファイバーの利用拡大は、収益面でまだマイナス部分が多い。しかし、０５年３月期を底にして、０６年３月期には１兆５０００億円強の営業利益を出したい」と述べた。

【位川一郎、伊藤一博】（毎日新聞）

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