2004年05月13日(木) 19時11分
「浄化槽」詐欺にご用心! 「設置しないと罰金」と脅し−−太田 /群馬(毎日新聞)
◇お年寄りらに契約注意呼びかけ−−太田市消費生活センター
太田市内で「合併浄化槽の設置が義務付けられた」などと高齢者らをだまして、高額な工事契約を取る新手の詐欺が横行している。市消費生活センターには昨年を上回る相談が寄せられており、同センターは1人暮らしのお年寄りや主婦がターゲットになるケースが多いことから、注意を呼びかけている。
「合併浄化槽を設置しないと罰金が科せられる」「今なら浄化槽設置の補助金が国から出る」などと虚偽の話を持ちかけ、「急がないと損をする」と言葉巧みにだます手口。同市では北部地域で02年から被害が出ている。同地域は下水道が完備していないため、狙われているらしい。
昨年4月16日には、ある老夫婦宅に作業着の男2人が来訪。市の推薦業者のような話しぶりで、夫婦は140万円の浄化槽を契約させられた。
1人が家の周囲を回って調査をしているようなそぶりを見せ、もう1人は夫婦に巧みに理屈を並べた。夫が「息子に相談する」と話すと「時間の無駄」と言い、契約書に印鑑を押させたという。夫婦には「35万9000円を市が補助する」と話していた。
高額契約に不安を持った夫婦は、2日後に同センターに相談。センターがクーリングオフ手続きを取り、解決した。同様のケースが8件もあり、契約金額は105万〜150万円。「国や市の補助額」も「50万4000〜0円」だった。
実際の浄化槽設置額は5人用、7人用など人数で分かれ、本当の市の補助額は▽5人用27万9000円▽7人用36万円▽10人用47万円。5人用浄化槽の平均価格は約41万2000円、工事費などを含めると実費は100万円前後になるという。
昨年、同センターに寄せられた浄化槽契約などをめぐる詐欺の相談は3355件。前年比2倍で、今年はさらに上回りそうだという。被害者の過半数が60歳以上の高齢者で、平均契約額は507万円になる。中には1億円を超す契約を結ばされたお年寄りもいたという。
同センターは「詐欺師グループは同地域を数日間で一斉に回り、地域の人が話し合う際、『うちにも来た』と安心感を植え付けるのが狙い。高額契約なので、『家族に相談して決める』と絶対に即答を避けてほしい。契約してしまった場合は、早めに相談してほしい」と話している。【佐藤貢】(毎日新聞)
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