2004年05月12日(水) 19時40分
山口組五菱会ヤミ金融事件 捜査大詰め「帝王」逮捕 /長野(毎日新聞)
◇県内11人に138万円貸し付け、法定40倍の利息取る
指定暴力団山口組五菱会(二代目美尾組と改称)による組織的ヤミ金融事件で、中野署などは11日、同会系貸金業総括経営者の梶山進被告(54)=出資法違反の罪などで公判中=を、同法違反(高金利)の疑いで逮捕した。梶山被告は約1000店といわれる傘下ヤミ金業者の頂点に立ち、「ヤミ金の帝王」と呼ばれた人物。03年2月の傘下業者の摘発に端を発した捜査は、トップの逮捕で大詰めを迎えた。【川崎桂吾、藤原章博】
調べによると梶山容疑者は、同法違反で逮捕起訴された東京都目黒区青葉台、元貸金業、鈴木勇被告(32)=公判中=ら7人と共謀し、00年11月から昨年2月ごろまでに、県内に住む11人に計約138万円を貸し付け、法定利息を約40倍上回る計約308万円を受け取った疑い。
梶山容疑者は貸金グループ「カジック」を経営し、傘下に約20のヤミ金グループを組織。売り上げの中から、上納金を納めさせていたとされる。鈴木被告のグループだけでも、月2000万円ほどを上納していたという。
県警は03年2月、梶山容疑者傘下の都内貸金業者「けやき」を摘発。押収資料などから捜査を進め、12月に「けやき」が所属するヤミ金グループの社長、鈴木被告を同法違反で逮捕した。
梶山容疑者の逮捕について「ヤミ金融を告発する県連絡会」の荻原世志成氏は「五菱会系のヤミ金グループは壊滅しつつあるが、他の業者が日々参入している状態」と指摘する。県生活文化課によると、県内のヤミ金被害は依然増加傾向にあり、県が設置した「ヤミ金110番」には02年12月から今年4月末までに7711件の相談が寄せられているという。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040512-00000001-mai-l20