2004年05月12日(水) 00時00分
「少年法趣旨に反する」疑問の声も(朝日新聞・)
少年の犯行の可能性が高い事件で、犯人逮捕を優先する県警が全国で初めて犯人の似顔絵を公開したことについて、識者からは「少年法の精神に反する」と批判の声があがっている。
県警の黒沢安次少年課長は11日の記者会見で、「(事件解決につながる)情報が少なくなっている。(似顔絵を公開して)より強力な捜査を進めたい」と説明。「公開基準」を変更した03年12月の警察庁の通達に従った判断であることを強調した。
これに対して、少年法に詳しい沢登俊雄・国学院大名誉教授(刑事法)は、似顔絵の公開を「少年法の趣旨に反し、捜査のやりやすさを重視している」と批判した。警察庁の通達には公開要件として「凶悪な類似事件が連続して発生している」とあるが、「事件から4年が過ぎ、容疑者と考えられる少年たちが事件を繰り返している可能性は非常に低い」として公開に疑問を呈した。
県警の判断基準となった警察庁の通達について沢登名誉教授は「通達そのものに『諸要素を総合的に勘案する』とあるなど、あいまいなところがある」として、公開基準を見直す必要があることを強調した。
(5/12)
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news02.asp?kiji=7427
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