2004年05月11日(火) 15時28分
掲示板に「著作物課金制度古い」…ウィニー開発者(読売新聞)
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発した東京大大学院助手金子勇容疑者(33)が著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助容疑で逮捕された事件で、金子容疑者がインターネット上の掲示板に「今の著作物に対する課金システムは古い。ユーザーはクリエイターに直接、金を払うべきであってCD業者などへの中間マージンは無くてもいいはず」などと書き込んでいることが11日、わかった。
京都府警ハイテク犯罪対策室は「現在の著作権に関する概念を変えたかった」とする金子容疑者の詳しい動機の解明につながる書き込みとみて関心を寄せている。
金子容疑者はウィニーの開発を2002年4月に掲示板「2ちゃんねる」で宣言。同年10月、「デジタルデータに関してはこれからの時代、流通コストが限りなくゼロになっていく」「クリエイターに直接お金が支払われるなら、ソフトはコピーフリーで構わない」などと書き込んでいた。
金子容疑者が開発したウィニーの前身のファイル交換ソフト「WinMX」の利用者が同法違反容疑で府警に摘発(2001年11月)されてから1年後の書き込みで、ウィニー開発の強い意志を示しているとみられる。
府警は同日、東京大工学部(東京都文京区)9号館にある金子容疑者の研究室を捜索、パソコンや関係資料を押収した。午前9時45分ごろ、捜査員9人がワゴン車で到着、立ち会いの大学職員に令状を示し、同館1階の金子容疑者の研究室に入った。府警は同日午後、金子容疑者を京都地検に送検する。
◆東大に調査委◆
金子容疑者が所属する東京大大学院情報理工学系研究科の武市正人研究科長は11日、前日付で同研究科内に教授6人でつくる調査委員会を設置し、事実関係の調査とソフトウエアの公開に関する問題について検討を始めることを明らかにした。
武市研究科長は「ウィニーは私的に開発されたと認識している。大学院学生の指導に当たっていたが、その場でウィニーの開発にはふれていない」とのコメントも発表した。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040511-00000207-yom-soci