2004年05月10日(月) 15時03分
<三菱自>“独自理論”で言い訳 虚偽報告事件(毎日新聞)
三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに昨年1月分社)の虚偽報告事件で、02年1月に「摩耗量0.8ミリ以上のハブが破損する」との虚偽データを国土交通省に示してリコール(回収・無償修理)を回避した後の4月に0.8ミリ未満でタイヤが脱落した事故について、三菱自元常務の花輪亮男(あきお)容疑者(63)=道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で逮捕=が「アルミホイール装着車は基準未満でも破損する」との虚偽の理論を編み出し、国交省を納得させていたことが10日、分かった。神奈川県警は花輪容疑者が虚偽報告の発覚を恐れて取り繕おうとしたとみて追及している。
調べなどによると、摩耗量0.8ミリ未満で脱落事故が起きたのは、同社が国交省に虚偽報告してから約3カ月後の02年4月22日。埼玉県内を走行中の大型ダンプの前輪がハブ破損によって外れたが、摩耗量は同社がねつ造した基準値の0.8ミリ未満だった。
国交省は02年1月の横浜の死傷事故後、同種事故の報告を徹底させていたため、品質統括部長の望月進容疑者(54)=同法違反容疑で逮捕=が同省に出向いて説明した。ところが、摩耗量の矛盾を指摘された望月容疑者はうまく返答できず、「宿題」としていったん同社に持ち帰ったという。
さらに6月末の国交省による特別監査でも同種事故が5例発覚したため、同社は対応を協議。7月上旬ごろ、花輪容疑者が同省を訪れ、「ハブ摩耗量が少なくても、ホイールの摩耗量が大きければ破損する」と、これまでとは異なる「アルミホイール理論」を示して説得したという。同省の了承を得て三菱自は7月26日、「ハブとホイールの合計が0.9ミリ以上」との新たな交換基準を発表した。
県警は、この基準にも何ら技術的根拠はなく、虚偽報告の発覚逃れだったとみて、裏付けを急いでいる。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040510-00001063-mai-soci