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三菱自動車製の大型車で車輪脱落事故が起きた運送会社から02年3月に国土交通省へ提出され、車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」の欠陥を示唆していた報告書が約2年間、同省のリコール(無償回収・修理)担当課に渡らず、放置されていたことが分かった。報告書は、02年1月に横浜市の母子が死傷した車輪脱落事故を受け、国交省が督促したものだった。同省は重大な失態と受け止め、再発防止に取り組む。
国交省は省令で、バスやタクシー、トレーラーなどを所有する事業者に対し、走行不能になる事故が起きた場合に1カ月以内に「自動車事故報告書」を提出するよう義務づけている。しかし、02年の母子死傷事故までは、期限通りに提出されないケースも多かった。
事故後、自動車事故情報を管理する同省安全対策室が、過去3年間に三菱製の所有車で車輪脱落事故が起きた事業者のうち、報告書が未提出だった14社に提出を求めた。
このうち、99年11月に大型トレーラーで事故があった富山県の運送会社は02年3月初旬に国交省に報告書を提出した。その中で、事故車のハブの摩耗量が0.65ミリで、三菱側が「破断につながる恐れがある」として交換基準にしていた0.8ミリを下回っていたことから、「ハブに欠陥があるのではないか」と指摘していた。運送会社は「うちの摩耗量を考えれば、三菱が主張した整備不良という説明はおかしいと考えた」と話している。
ところが、安全対策室は報告書の内容をリコールを担当する審査課に連絡しないまま保管。今年3月に三菱側がリコールを届け出た後に、当時の同省の対応を検証するための調査で見つかった。
清谷伸吾・安全対策室長は「情報の価値を判断しないまま、きちんと処理できなかったのは事実で、まずい対応だったと反省している。再発防止を図りたい」と話している。
(05/09 21:15)