2004年05月08日(土) 00時55分

＜ソフトバンクＢＢ＞社員１８００人なのに新採用３０００人（毎日新聞）

　ＡＤＳＬ（非対称デジタル加入者線）サービス「ヤフーＢＢ」を運営するソフトバンクＢＢは７日、来年４月に３０００人の新卒社員を採用する計画を発表した。トヨタ自動車が予定する２０３０人を超え、国内最大規模の採用になる。

　同社の従業員数は現在約１８００人で、今春の採用実績は１２５人。仮に退職者をゼロとしたら、社員の６割以上を新入社員が占めるという極めて異例の構成になる。

　ＡＤＳＬは、既存の電話線を使って高速のインターネット接続ができる技術。ソフトバンクグループは、ヤフーＢＢの会員を３月末時点の４００万人から、０５年９月には６００万人に増やす目標を掲げる。さらに、ブロードバンド通信事業の拡大に向け、今夏にも個人向け光ファイバーサービスへの参入を検討しており、人員増強で営業力を拡充する狙いがあるとみられる。また、４５１万人に及ぶ顧客情報流出事件を受けて、正社員比率を高めることで情報管理体制の強化を図る。

　新採用の内訳は▽家電量販店などを対象とした販売職９２０人▽営業・企画・管理職７００人▽これまで派遣社員中心だった顧客サポート職（コールセンターなど）５８０人▽技術職４００人など。ソフトバンク広報室は「ブロードバンド事業の急成長や今後の事業展開を見据え、顧客獲得や顧客サービスを強化するため人員増強・育成を目指す」と説明している。

　この大量採用計画は、「すさまじい事業拡大が予想される。前代未聞の試み」（大手通信会社関係者）、「業績評価を徹底するなど人件費を極力抑えるシステムを導入するのでは」（業界筋）など、通信業界内にさまざまな憶測を呼んでいる。【伊藤一博】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000045-mai-bus_all