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——設計部門の関係者は罪を問われていないが。
設計部門は欠陥品をつくる意図はなく、過失は問えないと判断した。ただ、十分な実験は行っていなかったらしい。
——なぜ実験を尽くさなかったのか。
D型ハブを早くつくらなければならない事情があったようだ。新車開発に間に合わせるためかもしれないが、まだ詳しい調べが進んでいない。
——県警がハブの欠陥を疑ったのは。
「ハブの強度不足を疑ったが、リコールを避けたかった」と、複数の関係者が語ったため。われわれも当初は整備不良と思っていたが、今年一月の再捜索で虚偽報告の痕跡を見つけた。
——その痕跡とは。
D型ハブの明らかな強度不足を証明する実験データだ。
——道路運送車両法違反容疑で逮捕という厳しい処置に踏み切ったのは。
虚偽報告を繰り返した悪質さと、社会的反響の大きさを考慮した。壊れないはずの部品が壊れた責任は問いたい。「捜査に協力する」と関係者は事情聴取に応じていたが、その“協力”の中でうそをつかれていた。
——虚偽報告を決めた謀議は何回くらい、どこで行ったのか。
瀬谷での事故直後から、宇佐美容疑者の個室などで複数回行っていた。ほかにも出席者はいたが(逮捕した)五人が主なメンバー。事故を受けて二〇〇二年一月十七日から二月十一日に四回開いた「〓対策本部会議」と称する会議でも打ち合わせたとみられる。この五人を含め、設計や製造の部長・グループ長級が計十二、三人参加している。宇佐美容疑者は会議のトップだった。同容疑者は積極的に虚偽報告に関与した可能性が大きい。
——昨年十月、今年一月に続き、今回も本社の家宅捜索をした理由は。
虚偽報告の物証をさらに集める必要があった。
——証拠隠滅の可能性は。
捜査中なので詳しく言えない。だが、その痕跡がないこともない。
——虚偽報告の内容は。
ハブの交換目安の摩耗を〇・八ミリ以上としたが、一部の報告書で摩耗量を改ざんした。また、摩耗量に関係なく起きた破損を隠していた。
——三菱は自主点検で、ハブが〇・八ミリ以上摩耗していれば無償交換するとしていた。この数値の根拠は。
無償交換率を低くするため「(限界の摩耗量を)〇・八でいこう」と決めたらしい。これより少ないと、交換率が高くなると考えたのではないか。だが、〇二年二月中旬(ハブの強度検証の)ワーキングチームが、〇・八ミリ未満でもハブが割れた実験結果を報告している。逆に言えば、十分な実験結果が出ていなかった同年二月一日の時点で、根拠もなく国交省に「整備不良」と説明していたことになる。
——七人は容疑を認めているのか。
(業務上過失致死傷容疑で逮捕された)三木(広俊)容疑者は一部を認めているが、他の六人は否認だ。
——逮捕まで二年四カ月かかったが。
関係者二十人以上に話を聞き、タイヤ会社など多方面でも調べていた。「整備不良」という三菱の主張を突き崩すのに、これだけの時間を要してしまった。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040507/lcl_____kgw_____000.shtml