2004年05月07日(金) 15時04分
<三菱車輪脱落>バス8台違法改修か 99年事故後(毎日新聞)
三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに03年1月分社)製大型車のタイヤ脱落事件で、99年に起きた中国ジェイアール(JR)バス(本社・広島市)の事故直後、三菱自が中国JRバスに持ちかけて事故車と同型式のバス8台のハブを交換していたことが7日、分かった。神奈川県警は三菱自がハブの構造欠陥を認識しながら、道路運送車両法に基づく届け出が必要なリコール(回収・無償修理)などを回避し、同法の届け出義務に違反して個別に改修したとみて調べている。
関係者によると、三菱自がハブ交換の対象に指定したのは、中国JRバスが所有する事故車と同型式のバスのうち、製造年が91〜92年の18台。三菱自が「摩耗量が多いハブは交換したほうがいい」と持ちかけた。その際、同社が示した交換基準に合わせ、中国JRバスは事故から約1カ月後の99年8月、ハブ摩耗量が0・5ミリ以上だったバス8台のハブを交換した。技術的根拠がないのに「0・5ミリなら通常の1・6倍の力がハブにかかっても、150万キロまで走行できる」と虚偽の説明をしていた。
ハブは通常、廃車まで使われ、交換は異例。車検の点検項目にもなっていない。中国JRバスは三菱自の勧めで、事故車のハブも購入からわずか2年後に交換した。
自動車メーカーが設計・製造に原因がある不具合の改善措置を取る場合、道路運送車両法に基づいて国土交通省に届け出て、広くユーザーに周知徹底することが定められている。しかし、三菱自は同省に届け出ず、事故が起きた中国JRバスの車両を対象に「隠れ改修」を実施していた。【安高晋】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040507-00001081-mai-soci