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【ワシントン=笹沢教一】米国で農務省や食品医薬品局(FDA)などに細分化している食品安全規制を一つの機関に統合するよう提言した会計検査院の報告書を読売新聞が入手した。
BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)や昨年11月のA型肝炎集団感染など、食の危機管理が叫ばれる事態が相次ぎ、統合論議が浮上した。現在、米議会で行われている省庁再編の検討で、連邦捜査局からの国内テロ情報機関の分離・独立問題とともに最大の懸案に発展する可能性すらある。また日本で食の安全評価を担う食品安全委員会=のあり方にも一石を投じそうだ。
報告書は「現在の米国の食品安全規制は、30以上の法律が12機関にまたがる極めて複雑な体制になっている」と指摘。米国初のBSEの対応では、同じ農場を農務省とFDAが別々に調査した例もあり「緊急時の対応としては、効率的とは言えなかった」として、単一省庁への統合や独立機関の新設を議会で論議することが急務としている。
現在、英国、カナダなど先進5か国で食品安全規制を1省庁に統合化しており、中でもニュージーランドは、2002年7月に2省庁の部門を統合して独立の食品安全局を新設した。日本では具体的な規制・管理は農水、厚生労働省に分かれており、報告書が挙げた5か国には含まれていない。