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2004年05月03日(月) 22時17分

トラック業界、態度一変に憤り 三菱・車輪脱落事故朝日新聞

 なぜ、もっと早く対策をとれなかったのか——。三菱自動車製大型車の車輪脱落事故が多発したことをめぐって、トラック業界やユーザーからも疑問の声が上がっている。全日本トラック協会(東京)には各地の業者から「三菱ふそうに抗議すべきだ」という意見が寄せられ、協会は今後の対応を検討している。

 協会の高橋喬郎会長は「しっかり整備してきたのに三菱から『整備不良』と言われ、業者は不安でいっぱいだった。それが一転、リコール。『それはないでしょう』という気持ちだ」と憤る。

 三菱側がリコール届け出を決めて1カ月あまり後の4月中旬。三菱ふそうの販売会社の幹部らが富山県の運送会社を訪れ、「(車輪脱落)事故でかかった費用を何らかの形で出したい」と打診した。

 この運送会社の三菱製トレーラーで、99年11月、石川県内の国道を走行中に右前輪が脱落した。約3カ月後、原因について、三菱側は運送会社に「整備不良」と報告してきた。しかし、同社の整備士はかつて三菱の販売会社で働き、三菱の車を熟知していた。納得がいかない結果だった。

 それから約4年後のリコール。運送会社の社長(73)は販売会社の幹部らに「早く対応していれば、(横浜の)死亡事故はなかったのではないか」と苦言を呈した。社長は「当時、車輪が住宅に飛び込んだり、対向車線に転がったりしていたらと考えると今でもぞっとする」と語る。

 同社のトラックは現在約80台。年に3、4台の新車を購入するが、99年の事故後は三菱製を買っていない。「また、トラブルがあったとき、整備不良と言われかねない」。社員も含め、不信感がぬぐい切れないままだ。(05/03 22:17)

http://www.asahi.com/national/update/0503/028.html