2004年04月30日(金) 03時05分
三菱ふそうタイヤ脱落、宇佐美前会長ら立件へ(読売新聞)
横浜市で2002年1月、三菱自動車(昨年1月、商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のタイヤが脱落して母子3人が死傷した事故で、事故後の証拠隠滅や国交省への虚偽報告に、三菱ふそうの宇佐美隆前会長と三菱自の花輪亮男元常務が深く関与していた疑いのあることが、わかった。
神奈川県警と横浜地検は、宇佐美前会長、花輪元常務を含む元役員ら7人を立件対象として、詰めの捜査を急いでいる。
同社は、横浜市での事故後、花輪元常務を責任者として社内調査班「強度検証ワーキング」を設置。自主回収した車軸周辺部品「ハブ」をサンプリング調査した結果、約3割のハブに構造的な欠陥が疑われる亀裂(ヘアクラック)を確認した。このため、亀裂の発生原因が「ハブの強度不足」である疑いが強まったが、花輪元常務は国交省に対し、「整備不良」と説明していた。
また、埼玉県内で2002年4月、ダンプカーの前輪ハブが破断する事故が起きた後も、同省に「過積載やスピードの出し過ぎが原因で、ハブに構造上の欠陥はない」と報告する一方、花輪元常務は同年5月ごろ、調査班の設計、品質保証部門などの各グループ長(課長級)に対し、亀裂の発生原因が強度不足との見方を否定する内容の「指示文書」を出していた。
宇佐美前会長は分社前から同社バス・トラック部門の最高幹部で、花輪元常務の直属の上司だった。宇佐美前会長が同年春ごろ、ハブの強度不足を検討した調査班の報告を受けていたことも判明している。
捜査当局は既に、宇佐美前会長や花輪元常務らから任意で事情聴取するなどしており、花輪元常務のこれらの指示は、宇佐美前会長の意向を受けたものとの疑いが強まったとしている。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040429-00000014-yom-soci