2004年04月27日(火) 13時02分

雪印、ＰＬ法保険金「請求放棄」で訴訟和解（読売新聞）

　雪印乳業（東京都新宿区）の乳製品で２０００年に起きた集団食中毒事件で、同社が製造物責任（ＰＬ）法損害保険に基づき、保険会社３社と財団法人「食品産業センター」（港区）に保険金約２億４０００万円の支払いを求めた訴訟は、雪印側が請求を放棄することを条件に、東京地裁で和解していたことが２７日分かった。雪印乳業によると、同社はＰＬ法に基づき、被害者から賠償請求を受けた場合に備え、１９９５年に食品産業センターが運営する食品産業ＰＬ共済制度に加入。加入者が製造・販売した食品などが原因で消費者の身体を害する事故が発生した場合などに、保険会社から保険金が支払われることになっていた。

　雪印乳業は、食中毒事件の被害者への賠償のため保険金支払いを求めたが、保険会社側は〈１〉加工乳を再利用した食品衛生法違反がある〈２〉被害を最小限に食い止める措置を怠った〈３〉被害の範囲が不明確——などの理由で支払いを拒否した。

　雪印乳業側は、被害の範囲を絞り込み、請求額を約７８００万円にまで減額したが、消費者１人１人の被害の立証は困難と判断し、請求を放棄した。

　雪印乳業の話「保険会社側の要求に応じるには、再度、１万３０００人以上の被害者に迷惑をかけるため、和解した」（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040427-00000403-yom-soci