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2004年04月26日(月) 08時05分

回転ドア事故、森ビルと製造元は予見できた 警視庁判断 朝日新聞

 東京都港区の「六本木ヒルズ」で男児(6)が自動回転ドアに挟まれ死亡した事故で、警視庁は、ヒルズ内で事故が相次いでいた実態や関係者から得られた証言などから、ヒルズを管理する「森ビル」とドアメーカーの「三和タジマ」の双方が、重大な事故が起きる危険を予見し得る状況にあったと判断。安全のための注意義務を怠ったとみて関係者の事情聴取を進めている。26日で事故から1カ月となる。

 ヒルズでは昨春の開業以降、男児が死亡するまでに計32件の回転ドア事故が起きていた。とりわけ昨年12月、6歳の女児が事故機と同じ型のドアに体を挟まれる事故があり、森ビル内にも「危険ではないか」との認識が強まったとみられる。

 その際、森ビルは三和側と協議し、初めて6項目の対策案を打ち出した。だが、早急に実行したのはドアの入り口近くに安全柵(さく)を設けるなどしただけ。多くの項目が手つかずとなっているうち、今年2月にも同様の事故が起きた。

 森ビルのヒルズ担当者は、捜査1課の調べに対し「まだ実行に移されていない対策を急がねばならないと思った」という趣旨の供述をしているという。特に、6項目のうちの一つである、人が挟まれるとドアが逆回転する装置の必要性を強く感じたと話しているという。

 捜査1課は、2月の事故が起きた時点で、担当者レベルでは事故が再発する可能性を認識していたと判断。同社の上層部が、こうした認識をどの程度共有していたか調べを進めている。

 一方、ヒルズの死亡事故の3年前、三和タジマは東京都渋谷区の「恵比寿ガーデンプレイス」にあるデパートで、手厚い対策を取っていたことも判明した。この施設で回転ドアが使われるようになってから1カ月間に、児童が挟まれる事故が3件起きたことがきっかけで、自ら費用を負担し、自動回転ドア前に警備員を配置していた。赤外線センサーを増設したり、安全柵を二重に置いたりもしており、その後事故は起きていないという。

 ヒルズに関する6項目の対策案には警備員の配置は含まれていない。三和側はヒルズに関しては、死亡事故にいたるまでの事故は2件しか報告を受けておらず、「深刻な事態とは受け止めなかった」との立場だ。

 しかし、捜査1課は、三和側が別の施設で警備員の費用を負担するなど、設備面だけでなく人の配置にまで踏み込んだ異例の事故防止策を取っていたことから、ドアの危険性について十分認識していたとみて調べている。(04/26 08:04)

http://www.asahi.com/national/update/0426/005.html