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2004年04月24日(土) 15時05分

<タイヤ脱落事故>三菱自元幹部を立件へ 5月上旬にも毎日新聞

 横浜市で02年1月、三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)製大型トレーラーのタイヤが脱落し母子3人が死傷した事故で、神奈川県警は、当時の品質保証部門の部長級を含む数人の中堅幹部を、業務上過失致死傷容疑で5月上旬にも立件する方針を固めた。タイヤと車軸をつなぐ「ハブ」の構造的欠陥を予見できたのに、放置したことが事故原因につながった疑いがあるとみている。中堅幹部の立件を突破口に、元役員を含む関係者の責任も追及していく。

 三菱側は、今年3月にハブ破断の原因を構造的欠陥と認めるまで、事故原因を「整備不良」と一貫して主張してきた。しかし、県警は、事故の2年半前に広島県で起きた路線バスの脱落事故を重視。整備不良は考えにくいバスだけに、この事故を機に、リコール(回収・無償修理)などの安全対策を取っていれば、横浜の事故は防げたと判断したとみられる。

 メーカー幹部が、製造責任にかかわる業務上過失致死傷容疑に問われるのは異例。同部門は故障・苦情の不具合情報を分析し、設計・製造部門に原因究明や対策を依頼すると共に、リコールの実施を検討する部署。

 県警は、昨年10月と今年1月に同社を捜索。会議録や技術データなどの資料を分析する過程で、99年6月、広島県で高速道路を走行中の中国ジェイアールバスの路線バスから右前輪が脱落した事故に注目した。

 脱落事故は92年から続いていたが、県警は少なくとも整備不良や過積載の可能性が低い路線バスで事故が起きた99年6月の時点で、ハブの構造的欠陥によって脱落が起こり得ると認識できたにもかかわらず、横浜の事故まで安全対策を取らず危険回避義務を怠った疑いがあるとみている。

 横浜の事故後、同社の調査で、それまでの同社製大型車のハブ破断によるタイヤ脱落は33件起きていたことが分かった。しかし、同社は一貫して「整備不良が原因」と利用者側の責任を強調し、国土交通省にも同様の報告を続けてきた。今年3月、一転して構造上の欠陥を認めて国交省にリコールを申し出た。

 母子死傷事故は02年1月10日に発生。横浜市瀬谷区の県道を走行中のトレーラーの左前輪が脱落し、歩行中の神奈川県大和市の主婦(当時29歳)が直撃を受けて死亡した。2人の子供も軽傷を負った。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040424-00001061-mai-soci