2004年04月24日(土) 20時21分
府肉連・牛肉偽装事件 田尻容疑者、県や呉市にも救済措置要求 /広島(毎日新聞)
◇前後に農水省へ働きかけ
大阪府食肉事業協同組合連合会(府肉連)の牛肉偽装事件で、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された呉市山手2、食肉卸売会社「平成フーズ」社長、田尻正司容疑者(56)が、01年秋のBSE(牛海綿状脳症)問題の発生直後、「国産牛などの在庫を買い取ってほしい」などと、県や呉市に救済措置を要求していたことが23日分かった。県内の業界関係者らは「あの会社は、主として輸入肉を扱っていたのに、国産牛の買い上げ措置を求めたところに疑問がある」と指摘している。
当時、広島県同和食肉事業協同組合の代表理事を務めていた田尻容疑者は01年11月中旬、「うちの組合は、国の牛肉買い上げ対象の窓口に決まった業界6団体に入らず、救済が受けられない。焦げ付いた国産牛などの在庫約700トンを買い取ってほしい」などと県や呉市に要請書を提出。田尻容疑者は熱心に食肉業者への融資や牛肉買い上げを求めたが、県や呉市は「国の事業なので、独自の対応はできない」と拒否したという。
この前後、田尻容疑者は農林水産省にも牛肉買い上げを要求し、同省職員が、府肉連副会長の浅田満容疑者(65)との接触を仲介していた。
田尻容疑者は01年11月、浅田容疑者が熊本市の食肉会社から輸入肉を使った加工肉94・5トンを仕入れるのを仲立ち。浅田容疑者と共謀し、輸入肉を国産に偽装して買い上げ申請、現金を詐取した疑いが持たれている。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040424-00000002-mai-l34