2004年04月23日(金) 13時18分

＜牛肉偽装＞農水省、担当者の仲介を認める（毎日新聞）

　大阪府食肉事業協同組合連合会（府肉連）の牛肉偽装事件に絡み、農水省の担当者が府肉連副会長の浅田満容疑者（６５）＝詐欺容疑で大阪府警が逮捕＝に対し、広島県の業者から牛肉を買い取るよう要請していた問題で、同省は２３日、仲介の事実を認めた。また、担当職員数人が府警から参考聴取されていることも明らかにした。

　会見した食肉鶏卵課の佐藤一雄課長によると、広島県呉市の食肉卸会社「平成フーズ」社長の田尻正司容疑者（５６）から何度も、同課の担当者に牛肉受け入れの相談があった。その後、担当者は浅田容疑者に受け入れを検討するよう要請。浅田容疑者らと担当者のやり取りについては「捜査当局からコメントを控えてほしいと言われている」と明らかにしなかった。

　ＢＳＥ（牛海綿状脳症）対策の国産牛肉買い上げ事業は、「全国食肉事業協同組合連合会（全肉連）」など業界６団体を通じて買い取る方針だったが、田尻容疑者が代表の組合は、６団体に所属していなかった。

　このため、田尻容疑者は「６団体に未加入なので何とかしてほしい」と相談。担当者は自分の判断で、広島に近い大阪にある「全国同和食肉事業協同組合連合会（全同食）」の役員だった浅田容疑者に電話で依頼したという。担当者は、国産牛肉の取り扱いを前提に仲介し、輸入牛肉という認識はなかったといい、同課は「対応に問題はなかった」と話している。

　同省によると、０１年９月に国内で初めてＢＳＥ感染牛が発見された後、食肉業界の組織や団体未加入の業者などから農水省に、未検査牛の保管などについて問い合わせが殺到し、混乱していた。（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040423-00001027-mai-soci