2004年04月22日(木) 00時00分
人名録購入で賠償請求/詐欺容疑、告訴も教授のもとに実際に送られてきた人名録。立派なカバー付きだ(朝日新聞・)
意思に反して人名録に経歴などを掲載され、購入代金などを支払わされたとして、県内の大学教授が、東京都内の業者らに約100万円の損害賠償を求める訴えを山口地裁に起こし、県警に詐欺容疑で刑事告訴した。勧誘への返信を機に様々な名目で金を要求してくる手口。県消費生活センターにも同様の相談が複数寄せられており、「被害は氷山の一角。たとえ契約しても、錯誤を主張して代金の請求は無視できる」と注意を呼びかけている。
教授が訴えたのは、購入代金の振込先となった銀行口座の名義人で、ともに東京都豊島区内の2業者。
訴状や告訴状によると、昨年1月、業者から教授に人名録の購入と会員への入会を誘う文書が届いた。「致します・致しません」という欄があり、「致しません」に印をつけ返信した。
しかし、「次回以降継続」という一文に気づかなかったため、自動的に今回の契約が結ばれて請求書が届いた。教授は同年3月に仕方なく代金29万円を支払った。さらに同じ頃、別の業者を名乗る男から「7社で共同で作っている。各社に退会料が要るが、親会社に50万円払えばいい」と要求され、縁を切りたい一心で50万円を払った。
教授は個人情報を一切提供していないが、その後、教授の経歴などが入った分厚い人名録が郵送されてきた。
昨年12月には、また別の業者を名乗る男から電話があり、「うちは原本を持っているが、一度載せた以上は削除料がかかる」と50万円を要求。同時に、退会した最初の業者から会員証が届き、会員料50万円を請求されたという。
教授は「返信は不注意だったが、契約方法そのものが詐欺だ。個人情報が複数の手に渡り、許せない。金を要求してきた業者らは、同じグループではないか」と憤る。
金を振り込んだ2業者を相手に訴えを起こしたが、訴状が両者に届かず、電話もつながらない状態だという。21日に予定された第1回裁判も5月に延期された。
最初の業者の住所となっている都内のマンションは、ポストに別人の表札があった。隣室の男性は業者について「まったく知らない」と話す。退会料を要求した業者の住所は、私書箱センターになっていた。
「日本紳士録」を100年以上発行する交詢社出版局(東京都新宿区)は「掲載は無料で続けてきたが、不審な業者に掲載料を要求されたという苦情が最近多い。信用が傷つき迷惑だ」と頭を痛める。
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http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news01.asp?kiji=4003
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