2004年04月22日(木) 22時02分
受講者は全国に693人−教育訓練給付金詐欺(山形新聞)
国の教育訓練給付制度を悪用したとして、県警捜査2課に詐欺容疑で摘発されたコンピューターソフト会社「エスエスビー」(東京都文京区)が開講したパソコン通信教育講座の受講者は、全国で693人に上ることが21日、厚生労働省の調査で分かった。このうち不正受給が判明したのは、本県59人のほか宮城県の6人。2002年7月に本県で不正受給が発覚しながら、同省はその後、1年半以上にわたって全国の実態把握を行わず放置していた。
国から拠出された助成金は計約1億6600万円。693人の受講生のうち相当数は、逮捕容疑と同じ手口で集めた架空の受講生だった可能性があり、県警は押収した受講者リストなどを精査し、慎重に不正受給の実態解明を進める。
同省雇用保険課によると、693人の居住地はほぼ全都道府県に及ぶ。最も多いのは東京都の92人で、福岡県73人、神奈川県52人など。本県の63人(4人は不正発覚により未受給)は人口比では突出しているという。
今回の事件での被害届提出を受けて、同省は3月16日付で、各地の労働局・公共職業安定所に対し、不正受給の確認調査を行うよう通知した。
捜査2課や山形労働局によると、エスエスビーは1999年10月、労働大臣(現厚生労働大臣)の指定を受けた「ピーシーマスター」を開講した。本県と宮城での不正受給は2002年に集中。本県ルートでは同年、河北町出身で子会社「アタル」副社長堀米芳和容疑者(55)が知人らをつてに攻勢をかけていたことが、既に明らかになっている。
民間信用調査会社によると、減収傾向が続いていたエスエスビーの売上高は2002年8月期、前年の2倍超になった。
http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20040422/0000001600.html