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ハブは車軸とタイヤをつなぐ鉄製部品。後輪のハブが破断すると走行不能になるおそれがある。同社は前輪ハブを先月下旬、後輪ハブを今月十五日にそれぞれリコールした。
問題の文書はB4判数ページの「不具合情報一覧」。全国の販売店などから報告された二−三年分の各種不具合情報を一覧表にしている。約十件分の後輪ハブの破損情報が不具合発生日や登録日、走行距離などとともに記されていた。
いずれのハブも破断していたが、同社が危険度に応じて三段階に分類したうち、もっとも緊急性が乏しい情報に位置づけていた。このため、同省リコール担当官が後輪ハブの破損情報を見過ごしたとみられる。
今年三月、同社と国交省のやりとりで後輪ハブの欠陥問題が浮上。同省が一昨年六月の監査書類を再点検し、不具合情報一覧文書に後輪ハブの破損情報が含まれているのを確認した。
この時の監査では、前輪ハブのリコール原因になった微細な亀裂のデータも入手したが、やはり精査されず、前輪ハブの設計上の問題も見逃されていた。
大型車の前輪脱輪による横浜市の母子三人死傷事故を捜査している神奈川県警は、一連の同省の処理が適切だったかどうかなどについても、当時の同省職員らに事情を聴いている。
前、後輪ハブとも、リコールにつながる情報を得ながら二年近く放置する結果になった点について、同省幹部は「本省のリコール担当官(七人)は、年間三十−四十社を監査し、約二百件のリコールと約五千件のクレーム情報を処理、手が回らない面がある。今の監査方法が最良か否かは検討課題だ」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040420/eve_____sya_____001.shtml