2004年04月17日(土) 07時01分
おれおれ詐欺、被害金戻った=訴訟なしで口座解約−高齢者救済・京都中央信金など(時事通信)
おれおれ詐欺に遭っても泣き寝入りせず、振り込んだ現金を取り戻したい。被害者の切実な要望に応えて、振込先として利用された口座に現金が残っている場合、訴訟なしで被害者へ返金する金融機関が現れた。口座名義人の了解などが必要だが、被害者の多くが高齢であることから、金融機関が救済に乗り出した格好だ。
愛知県豊橋市の女性(80)は昨年9月、孫を装った人物から「交通事故を起こした」との電話を受け、京都中央信用金庫(京都市)の指定された口座に100万円を振り込んだ。千葉県松戸市の男性(75)も同じ手口でだまされ、68万円を振り込んだ。
2人はおれおれ詐欺だと気付いて警察に通報。同信金はすぐに口座を凍結した。今年2月に犯人グループが逮捕され、犯行に使用された口座と特定されたため、引き出されずに残っていた計158万円を2人に返した。金融機関は一般的に、犯罪に利用された口座は凍結するが、解約することはない。このため、被害者が口座に残った金を取り戻すには、口座名義人を相手に訴訟を起こす必要がある。しかし、おれおれ詐欺被害者の多くは高齢者のため、同信金は対応策を検討。捜査機関が犯罪に使用された口座と特定すれば、口座を凍結するだけではなく、約款上可能な強制解約に踏み切ることにした。京都市内の別の金融機関でも被害金を返還したケースがあるという。同信金は「口座名義人から訴えられるリスクも捨てきれないが、お年寄りからの依頼があり、返還訴訟には時間も費用もかかることからお返しした」と話している。 (時事通信)
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