2004年04月17日(土) 19時03分

児童強制労働　ホームオブハート告発、「Ｘ　ＪＡＰＡＮ」元メンバーも　／栃木（毎日新聞）

　那須町などにある自己啓発セミナーの施設で一時保護された児童ら６人が、外に出られず家事や育児を強いられていたとして、紀藤正樹弁護士らは１６日、運営団体「ホームオブハート」や、ロックグループ「Ｘ　ＪＡＰＡＮ」元ボーカリストらを、児童福祉法違反（児童を支配下に置く行為）と労働基準法違反（１５歳未満の児童の使用禁止）の両容疑で黒磯署に刑事告発した。大田原労働基準監督署へも同じ容疑の告発状を提出した。ホームオブハートは「虐待の事実はなく不当な誤解をされている」と主張、元ボーカリストが経営する「トシオフィス」は「コメント出来ない」としている。
　告発したのは、紀藤氏と山口貴士弁護士、「トシオフィス」元社員、山本ゆかりさん（４３）の３人。告発状によると、同団体の代表らは共謀して今月７日までの間、子供たちに暴力や暴言を伴うしつこいどう喝と指導をして、法定の年齢に満たない児童に、自己啓発セミナーの宿泊客の食事の調理、販売商品の配送業務、乳幼児の世話などをさせた。さらに１８歳に満たない児童を午後１０時〜午前５時の間、同様の業務をさせたと主張している。
　告発状を提出した後、会見した山本さんは「子供が被害を受けている問題を見過ごすことが出来ない。見たことや体験したことを語るなど、可能なことをやりたい」と訴え、山口弁護士は「正式に受理してもらうよう（今後）資料を提出したい」と述べた。黒磯署は今後、事実確認を進めて受理するか検討する。
　また、大田原労働基準監督署は「現段階では受理するかどうか答えられない」と話している。
　これまでに県北児童相談所が７日、同団体の２施設から幼児や児童ら計５人を一時保護している。【柴田光二、仙石恭】＝一部地域既報（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040417-00000002-mai-l09