2004年04月15日(木) 20時27分
全頭検査、本当に有効? BSEで学術論議活発化(共同通信)
牛海綿状脳症(BSE)の安全確保策として、日本で実施されている全頭検査が本当に有効かという学術論議が熱を帯びてきた。内閣府の食品安全委員会は15日、下部組織のプリオン専門調査会で22日からBSE対策の現状分析に着手することを決定した。全頭検査の有効性論議は、牛肉の輸入再開をめぐって来週末に再開される日米協議にも影響しそうだ。
全頭検査は、日本で初のBSEが確認されパニックとなった2001年秋から実施されている。政府は当初、欧州と同様に生後30カ月以上の牛を対象に検査する方針だったが、消費者の不安が収まらず牛肉消費は大幅減退。このため年齢に関係なくすべての食用牛が検査対象になった。
こうした経緯から「異常プリオンが蓄積されやすい脳など特定危険部位を完全に除去すれば肉自体は安全」(唐木英明東大名誉教授)とし、全頭検査の科学性を疑問視する学者は多い。日本学術会議が14日開いた公開討論会では、「生後何カ月以上を対象にするかの線引きは難しいが考え直す時期に来ている」(品川森一・動物衛生研究所プリオン病研究センター長)など、「全頭検査見直し論」が相次いだ。(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040415-00000213-kyodo-soci