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全国の消費生活センターに寄せられた消費者相談件数が、昨年度初めて100万件を超えたことが、10日わかった。
情報化の進展に伴う架空請求や、景気低迷を背景にした多重債務などの相談が急増している。最終的には140万件に上ると見られ、各地のセンターでは、急増する相談への対応に追われている。
国民生活センターが3月末までに全国のセンターから寄せられた分をまとめたところ、2003年度の相談件数は、統計を取り始めた1984年度以降初めて、100万件を超え、約113万件に上った。
最終的な統計は、各センターからの報告が出そろう9月中にまとまるが、「このペースでは140万件に達する」と国民生活センターは話す。
消費生活相談件数は、この20年間、ほぼ右肩上がりで増加してきた。特に2000年度に50万件を突破して以降、01年度が前年比約10万増、02年度同約20万増、03年度も同約50万増と急激に増える見込みだ。
最近の相談件数を押し上げている直接の要因は、有料サイトの架空請求やヤミ金融からの不当請求などが前年をはるかに上回るペースで増えているため。同センターは「インターネットや携帯電話のサービスが急速に広がり、社会経験の乏しい子供や判断能力が衰えている高齢者がトラブルに巻き込まれやすい環境になったから」と分析する。
相談の急増に、問題解決に当たる各センターは対応に追われている。青森県消費生活センターは4月から、相談員を5人増やして14人とする一方、県内4か所の相談機関で1—1時間半、相談時間を延長。うち1か所では、土、日、祝日も開設する。大阪府消費生活センターでは、昨年4月から、24時間体制で連絡が取れるように、電子メールによる相談をスタートした。
内閣府によると、2003年4月時点の全国の消費生活センター相談員は1655人。1999年の1356人から299人増えているが、相談員の資質向上などを図る全国消費生活相談員協会(東京)の藤井教子理事長は「相談件数から見ると、現場は、限界に近い状態で働いている相談員も多い。本来踏み込んで聞かなければならない相談を、手短にアドバイス程度で済ませてしまう例も見受けられる」と話す。