2004年04月08日(木) 19時05分
「おれおれ詐欺」初公判 2被告に懲役2、3年求刑−−地裁会津若松支部 /福島(毎日新聞)
◇役割を分担、「周到に計画された組織犯罪」−−偽造保険証で口座開設
◇ネット掲示板が発端、顔を合わせることなく…
◇検察側、冒頭陳述で明らかに
猪苗代町の女性(80)が昨年8月に「おれおれ詐欺」にだまされ現金121万円を郵便貯金口座に振り込んだ事件で、偽造した健康保険証でその口座を開設したとして有印私文書偽造、同行使などの罪に問われている2被告の初公判などが7日、地裁会津若松支部(内田博久裁判官)であった。検察側は冒頭陳述で、口座開設に至る犯行グループの役割分担などを示し、インターネットの掲示板を発端に顔を合わせることなく「周到に計画された組織犯罪」(検察)だったことを明らかにした。
■「役者」と「環境」
東京都世田谷区八幡山3、無職、安藤淳一郎(30)とさいたま市浦和区針ケ谷1、同、佐藤誠(27)の両被告は、偽造健康保険証を使って03年5〜6月に通帳とキャッシュカード七つずつをだまし取った起訴事実を認めた。検察側は「巧妙かつ大胆」と安藤被告に懲役3年、佐藤被告に懲役2年を求刑した。
検察側は冒頭陳述で、同罪で起訴されている川村佳悟被告(35)を中心としたグループの役割分担を述べた。
川村被告は03年1月ごろからネット上で偽造銀行口座などを販売し、一定の報酬を条件に偽造を呼びかけていたことを指摘。偽造健康保険証で口座を開設する役を「役者」、郵送されるキャッシュカードを受け取る人物を「環境」と称し、安藤被告は役者、佐藤被告は環境で2人とも顔を合わせたことはなかった。
■ほかに関与の人物
捜査当局はこれまでの調べから「イナバ」などほかにも関与した人物がいるとみており、被害者の女性に電話をした人物の割り出しを進めている。川村被告らの供述が食い違うことから、1日に有印公文書偽造の疑いで逮捕した埼玉県上尾市上野、同、北林直人容疑者(34)などの調べも進めている。【町田徳丈】(毎日新聞)
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