2004年04月06日(火) 00時00分
スダチ残留農薬 県、10日前に検出把握(朝日新聞・)
阿南市のJAあなんが出荷したハウス栽培のスダチから残留農薬が検出された問題で、県は3月26日の時点でJAから自主検査結果の報告を受け、さらに29日には相当数の農家のサンプルからも検出した結果を把握していた。しかしその間も県は「自主的対応を尊重する」としてJAの対応に任せ切りにしていた。県は5日、今回の件を教訓に公表指針を整備することを決めた。一方、JA全農とくしまは5日から3日間、県内産スダチの出荷を見合わせることにした。
県農林水産部によると、JAから3月26日、自主検査の結果、農家2戸のサンプルから残留農薬を検出したとの報告があった。そのため県は27、28両日、農薬を使っていた23戸を検査し、29日に19戸からの検出が判明した。5日の定例会見で飯泉嘉門知事は「この時点で、消費者の安全・安心の確保のため自主的に公表してほしいとJAに促した」と述べた。
県の判断で公表に踏み切らなかった理由を同部の西崎和人次長は「鳥インフルエンザのように隠されればわからなくなる。業界の自主的対応を尊重しないと情報が流れてこないことになる」と説明した。
JA全農とくしまの井内潔・県本部長は「できるだけ早く公表をとも考えたが、申し訳ない」と陳謝した。
県は県農業研究所(石井町)に03年、5700万円をかけて残留農薬検査システムを設置。県内18JAは農産物253検体について自主検査している。残留農薬の検出は今回が初めて。
1日からの組織改編で県には「食の安全」のため同部や県民環境部などとの間で横断組織が設置された。しかし、生活衛生課への連絡は4日になってからで、同課は同日、全都道府県と政令指定市に自主回収を知らせる文書を送ったという。
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県は5日、県の関係機関やJA関係者が出席した緊急の対策会議を開催。消費者の安全確保を最優先することや出荷停止した農家への経済的補償の検討、残留農薬検出の原因究明を決めた。
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http://mytown.asahi.com/tokushima/news02.asp?kiji=4034
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