悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年04月06日(火) 03時03分

92年の最初の事故後も「リコール不要」 三菱自動車朝日新聞

 車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」の破断による大型車の脱輪事故が相次いだ三菱自動車が、最初のハブ破断事故があった92年の段階で「最重要不具合」として社内調査に乗り出し、ほかの車のハブにも多数の亀裂を見つけていたことがわかった。走行試験で亀裂につながる過大な力がかかることも把握していた。だが、同社は他のデータをもとに「亀裂があっても、すぐに破断して脱輪に至ることはない」としてリコール(無償回収・修理)は不要と結論づけていた。

 横浜市で02年1月に起きた死傷事故について、業務上過失致死傷容疑で調べている捜査当局もこうした経緯を把握。計11件の脱輪事故があった92〜99年の間に、同社はハブの強度不足を認識し、必要な対策を怠れば同様の事故が起きることを予見できた可能性があるとみている。これまで当局が最も注目していたのは、99年6月に広島で起きた中国ジェイアールバスの事故だったが、これよりも前に事故を予見しうるデータが見つかったことになる。

 関係者の話によると、92年6月21日、東京都内で三菱製の冷凍車の左前輪が外れた。冷凍車は、02年1月に横浜市で死傷事故を起こしたD型ハブより旧式のB型ハブだったが、事故の形態はその後に多発した事故と同様、輪切り状にハブが破断するものだった。

 ハブ破断による脱輪事故はこの時が初めて。販売後わずか3年で事故が起きたことから、同社は最重要不具合と位置づけ、92年11月〜93年7月に7回にわたり、クレーム対策会議を開いた。

 この間、同型のハブ20個を回収して調べたところ、14個で細かい亀裂を発見。走行試験でも、ハブに金属疲労を生じさせる力がかかり、亀裂を生じさせる恐れのあるデータが検出された。

 調査結果は同会議にも提出されたが、会議は、室内でハブに直接力を加えて耐久性を調べる「台上実験」の結果をもとに、「亀裂が発生しても輪切り破断までには更に4.2倍の寿命があると推定され、B型ハブの破損発生率は大変低い」と結論づけていた。

 三菱は当時、一部設計を変更したC型ハブを組み込んだ大型車を販売していたが、やはり台上実験の結果をもとに、同様の結論を出していた。

 93年10月の会議では、「ハブを車輪に固定するボルトの締め付け不良でハブが摩耗し、強度が低下して不具合が発生する」という報告書を最終的にまとめた。この報告書をもとに旧運輸省などに「リコールには該当しない」と説明していた。 (04/06 03:03)

http://www.asahi.com/national/update/0406/006.html