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「六本木ヒルズ」の自動回転ドアに男児(6)が挟まれ死亡した事故で、施設を管理する「森ビル」がヒルズ内で事故が起きた際に記録している「事故速報」が、警視庁による家宅捜索で押収されていたことが分かった。警視庁は、過去の類似事故の経験から、森ビル幹部が回転ドアの危険性について認識していた可能性が高いとみて、事故速報などが社内でどう回覧されていたか調べている。
捜査1課の調べや森ビル側の説明によると、事故速報は同社管理部が作成し、部内のパソコンで保管していた。被害者の氏名、年齢、事故の日時、事故概要、事故後の処置などが記されている。
事故速報を作成する明確な基準はなく、管理部員の判断に任せられていたという。また、上層部や他の部署への伝達方法も決まっていなかったが、けが人が出るなど重大な案件については、役員クラスにも報告されていたという。
六本木ヒルズでは、昨年4月の開業以降、回転ドアで計32件の事故が起きていた。今回の事故と同じ型の大型自動回転ドアでも計12件起きた。
昨年12月7日には、女児(6)が体を挟まれ、耳の後ろから出血し救急搬送された。事態を重くみた森ビルは、メーカー側と再発防止策を検討。6点の具体策を初めてまとめ、このうちドアの閉まり口近くに安全柵(さく)を設けるなど、一部を実施に移した。
しかし、その後今年2月1日にも、女児が左足を挟まれる事故が起きた。この事故も、事故速報としてまとめられていた可能性が高く、安全柵が機能しなかった状況が記載されていたとみられる。
警視庁は、森ビルの幹部らが、こうした事故速報などを通じて、頻発する回転ドア事故の実態を知り、安全柵などだけでは事故防止対策として不十分であることを認識していた可能性があるとみている。
(04/05 06:20)