2004年04月05日(月) 19時21分
[支局長万言ぅ記]メールの盗み見は /新潟(毎日新聞)
明日から新学期が始まる中2の長男が怒っていた。友だちから「死ね」というメールが来たそうだ。
またか、と思った。年末には今回と逆で、長男が同級生に「死ね」とメールを送り、それを見た同級生の母親が学校に通報し、騒ぎになった。
妻が学校に呼び出された。学校側は、出会い系などのサイトにアクセスする心配があると、メール内容のチェックを求めた。確かに「死ね」と送った長男は悪いし、親の監督下にもある。しかしメールは私信だ。無断で中身を見るのは親でもいけないと思う。
長男は昨春、東京から新潟市内の中学に入学した。東京の友だちと連絡できるようにと、パソコンでメールのやり取りを教えた。長男はメールに夢中になったが、メル友は同級生ばかりだった。しかも「メール中毒」のような頻繁なやり取りで、心配していた矢先だった。ささいな行き違いがメールで増幅され、「死ね」になったようだ。
日本語の会話は、全情報量のうち、文字で表現できるのは2割といわれる。メールという文字のやり取りも、顔文字などで不足する感情などを補おうとしてるが、それでも直接の会話には及ばない。メールを検閲するより、大人が教えるのは、マナーやそういうことではないか。
今回の騒動で、妻は「きっと誤解だから」と友だちに直接会って話すよう諭した。そもそも毎日会える相手と、わざわざメールなんかするから誤解が生じる。結局、長男はどちらとも仲直りした。さて、お宅ならメールをチェックしますか。【長倉正知】=毎週月曜に掲載(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040405-00000002-mai-l15