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■プライバシー侵害は認定
決定理由で、根本裁判長は「表現の自由は憲法上最も尊重されなければならない権利で、出版物の事前差し止めは、表現の自由に対する重大な制約。認めるには慎重な上にも慎重な対応が要求される」と述べた。
その上で、報道された長女の私生活上の出来事について「日常生活で、人はどうということもなく耳にし、目にする情報の一つにすぎない」と判断。「事前の差し止めを認めなければならないほど、長女らに重大な著しく回復困難な損害を被らせる恐れがあるとまではいえない」と述べた。
問題とされたのは、三月十七日発売の三月二十五日号。長女側は十四日に文春側に掲載中止を要請。文春側が応じなかったため、発売前日の十六日、東京地裁に出版禁止の仮処分を申請、同地裁が認める決定をした。
文春側はこれを不服として、同地裁に異議を申し立てたが、同十九日に退けられた。
東京地裁は異議申し立てに対する決定理由で、「名誉は賠償などで回復を図る余地もあるが、プライバシーは他人に知られた後では回復不可能。プライバシー保護に事前差し止めに代わる救済方法はなく、必要が高い」と、プライバシー重視の判断を示していた。
文春側は、東京地裁の仮処分までに、印刷した約七十七万部のうち約七十四万部を出荷。
残る約三万部はいったん出荷が止められたが、約三千部について、問題とされた個所を切り取り、定期購読者らに配送した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040401/mng_____sya_____006.shtml