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「ほっとした」。昨31日、記者会見した文春の笹本弘一・第1編集局長は安堵(あんど)の表情を見せ、「わが国における『表現の自由』が崩壊の瀬戸際で守られたものと評価したい」などとする声明文を読み上げた。だが、笑顔はない。
最高裁に最終決着の場を求める真紀子氏に逆転の芽はあるのか テレビが一斉に「出版差し止め取り消し」のテロップを流した午後4時ごろ、社内の各フロアからは歓声が上がり、逆転勝利に沸いたという。
文春側は今後、発禁となった3万部のうち、記事を切除して出荷した3000部を除く2万7000部を取次業者に出荷。バックナンバーも販売するなど、高裁決定の既成事実化を狙う。
一方の真紀子氏は同日、国会で衆院外務委員会に出席し、同僚議員と談笑するなど、ご機嫌ぶりをうかがわせていた。
先月20日には、地元・新潟県内での講演で文春問題に触れ、「そのうち騒動も収まるでしょう」と余裕のコメントを発していたが、まさかの逆転敗訴にガックリ。
午後6時すぎに「目白御殿」に帰宅した真紀子氏は、報道陣の問いかけにも無言を貫いた。
地裁決定から12日間で、明暗がひっくり返った発禁問題だが、文春側の“逃げ切り勝ち”が成功するかは不透明だ。
真紀子氏の長女の代理人を務める森田貴英弁護士は、こうコメントして、「一部勝訴」の評価を下している。
「高裁決定は記事の内容が公共性および公共目的が欠如している違法なプライバシー権侵害であり、憲法上保障されている表現の自由、行使として、積極的評価を与えることはできない、としている点で意義深い」
実際、高裁決定では「長女らは現時点では私人にすぎない」「記事は公共の利害に関する事項を内容としておらず、公益を図る目的もない」と、文春の非を認める内容も含まれている。
今回の根本真裁判長は大阪高裁の裁判長だった平成12年にも、少年事件をめぐる民事訴訟で、月刊誌の実名報道を認める逆転判決を言い渡した実績の持ち主である。
文春は第2ラウンドでは、大きなアドバンテージを得ていたとみることもできる。最終ラウンドで、真紀子氏の再逆転はあるのか。
ZAKZAK 2004/04/01