2004年03月31日(水) 23時43分
文春の出版禁止取り消し 長女側最高裁に抗告へ(共同通信)
「週刊文春」の出版禁止の仮処分を東京高裁が取り消し、弁護士らと声明文を読み上げる文芸春秋の笹本弘一第一編集局長(右から2人目)=3月31日午後5時40分、東京都千代田区紀尾井町の文芸春秋本社
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田中真紀子前外相の長女の私生活に関する記事を掲載した「週刊文春」(文芸春秋発行)の出版禁止仮処分をめぐる保全抗告審で、東京高裁は31日、仮処分を妥当とした東京地裁決定を取り消し、長女側の仮処分申請を却下する決定をした。出版禁止命令は効力を失った。
根本真裁判長は「表現の自由は憲法上、最も尊重されなければならない権利」と強調。「記事は長女らのプライバシーを侵害したが、出版の事前差し止めを認めるほど重大で著しく回復困難な損害を被らせる恐れがあるとまでは言えない」と述べた。
地裁が2回にわたって認めた大手週刊誌の出版禁止が覆されたことで、憲法が保障する「表現の自由」と「プライバシー」をめぐる議論に大きな影響を与えそうだ。
長女側は高裁決定を不服として、期限の4月5日までに最高裁に抗告する方針。(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040331-00000247-kyodo-soci