2004年03月31日(水) 16時03分
週刊文春出版禁止を取り消し・東京高裁(日経新聞)
前外相、田中真紀子衆院議員の長女の私生活に関する記事を掲載した週刊文春の出版禁止問題で、出版禁止の仮処分を認めた東京地裁決定に対する抗告審で、東京高裁(根本真裁判長)は31日、文芸春秋側の抗告を認め出版禁止の仮処分命令を取り消す決定をした。15日ぶりに出版禁止の状態は解けた。
同問題を巡る司法判断は3回目で、高裁と地裁での判断が分かれた格好。長女側が最高裁に特別抗告する可能性も大きく、問題が決着するまでにはまだ時間がかかりそう。また抗告した際、決定の効力停止も申し立て、認められれば再び出版禁止状態に戻ることになる。
文春は出版予定だった約77万部のうち、仮処分命令が送達された時点で未出荷だった3万部の出荷を見合わせた。ただ3万部のうち一部は、記事を切除するなどして販売した。
関係者によると、24日に開かれた抗告審の審尋では、文春側は主に「長女は前外相の後継者となる可能性があり、私人ではない」と強調。長女側は「プライバシー権の侵害」などと主張していた。(16:03)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040331AT1G3101S31032004.html