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2004年03月31日(水) 00時00分

自動回転ドアの事故で家宅捜索を受けた六本木ヒルズを見てきた… 東京新聞


 自動回転ドアの事故で家宅捜索を受けた六本木ヒルズを見てきた。大阪の溝川涼君(6つ)が挟まれて亡くなった現場は、五十四階建て森タワービル二階のまさに正面入り口だった▼問題の自動ドアは両脇の小型手動回転ドアもろとも閉鎖され、急ごしらえの祭壇には慰霊の花束やお菓子、ぬいぐるみがたくさん供えられていた▼同じフロアにあるすべての自動回転ドアは固定され、真ん中のしきり部分だけを左右に開閉して利用されていた。テナント用の店舗入り口を含め回転ドアはすべて「点検のため」利用停止▼おそらく日本中でいまビルの回転ドアは自動、手動を問わず止まっている。これほどの反応を呼んだのはなぜか。日ごろ何かといえばセンサー、センサー。歩き方から手の洗い方、トイレの使い方まで機械に指示され、振り回されてきたセンサー社会への人々の拒絶反応が一気に噴き出したのかもしれない▼手で押して通る回転ドアにはまだしも道具の感覚があるが、人の流れによってスピードを変え、速く歩けと言わんばかりの自動回転ドアなどは、そもそも人間に対して僭越(せんえつ)なのだ。効率化のセンサーはあっても、坊やの命一つ守れなかったではないか。涼君の事故の一部始終を撮影した監視映像の存在には慄然(りつぜん)とする▼六本木に向かう途中、地下鉄駅のエスカレーターで、小学生の坊やが携帯電話をベルトの外へ落とした。身を乗り出して拾おうとする坊やを、青年がさっと押しとどめ素早く携帯をつまみ上げ手渡した。「やるね」と声をかけたら、青年ニヤリと笑った。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20040331/col_____hissen__000.shtml