2004年03月30日(火) 12時16分
<国民年金>社会保険事務所で未納者カード372人分紛失 (毎日新聞)
全国6カ所の社会保険事務所で、02年7月から03年3月までの間に、国民年金保険料の未納者に関する個人情報を記載した「未納者カード」が合計372人分盗まれていたことが30日、分かった。このうち199人分は後に回収されたものの、173人分は未発見のまま。社会保険庁は「カードが悪用されたとの報告は受けていない」(地方課)と話しているが、個人情報の管理の甘さが批判を招きそうだ。
被害状況の詳細を求めた中根康浩衆院議員(民主)の質問主意書に対する政府の答弁書で明らかになった。
答弁書によると、盗難に遭ったのは、佐賀県・唐津(02年7月)▽埼玉県・春日部(同年8月)▽大阪府・今里(同年11月)▽宮城県・仙台北(03年1月)▽埼玉県・所沢(同)▽東京都・杉並(同年3月)の各社会保険事務所。いずれも、保険料徴収を担当する国民年金推進員(非常勤の国家公務員)が、未納者カードを自転車のかごに入れたまま買い物をしたり、ひったくりに遭うなどして盗まれた。
唐津、仙台北の分は、全カードの入ったカバンごと発見されたが、春日部と今里の一部、所沢、杉並で盗まれたカードは見つかっていない。同庁は被害対象者には戸別訪問や電話で謝罪し、不審な人物の訪問や電話に注意するよう呼びかけた。
「未納者カード」は保険料の未納状況を管理するため、未納者1人に1枚作製される。住所、氏名、保険料納付記録などのほか、「日中は不在」など徴収業務の参考情報も記入されている。
国民年金推進員は各社会保険事務所から1週間で巡回する十数〜数十人分のカードを預かって徴収に当たり、カードは自宅で保管している。個人情報保護のために03年1月以降、機械管理に移行したが、機械に不慣れな推進員がまだカードを使っているケースもあるという。【鈴木直】(毎日新聞)
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