2004年03月30日(火) 00時00分

医療事故に公表基準／県立２病院（朝日新聞・）

　　県は２９日、県立中央（防府市）、静和荘（宇部市）の県立２病院で医療事故が発生した場合に自主公表する「県立病院医療事故公表基準」を定めた。病院運営の透明性や県民の医療への信頼を高めるのが目的で、患者のプライバシーに配慮しながらも、病院の過失で発生した医療事故はすべて公表の対象になる。

　　基準では、病院に過失が認められる医療事故をＡ（死亡）▽Ｂ（病状悪化、後遺症の可能性）▽Ｃ（治療・処置が必要）▽Ｄ（それ以外で病院運営上または社会的に重大な影響を与えるもの）の四つに区分した。

　　Ａ、Ｂは、日時や原因、担当の医者や看護師に関する情報などを記者会見などで個別に公表する。Ｃは件数や概要、改善策などを年１、２回まとめて公表するが、賠償金が必要な場合や異物の体内残置など、事故の内容によっては個別公表する。集団院内感染など、Ｄに該当する事故は病院の過失が明確でない場合でも個別公表する。

　　医療事故に遭った患者とは事前に相談し、プライバシーを最大限尊重するが、患者が公表したくない場合でも、個人が特定できない形で公表するという。

　　県医務課によると、２病院では過去１０年間で医療事故による死亡例はないものの、今回の基準に照らせば個別公表の対象になる医療事故が７件あった。また、転倒など、Ｃにあたる事故は月平均６件あったという。

（3/30）

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news02.asp?kiji=3926