2004年03月29日(月) 20時56分

ハンセン病者宿泊拒否、ホテルと総支配人らに略式命令（読売新聞）

　熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題で、宮地区検（熊本県一の宮町）は２９日、ホテルを経営するアイスター（本社・東京）と、前社長西山栄一（７３）、取締役成瀬ことみ（５５）、同ホテル総支配人前田篤子（５７）の３容疑者を旅館業法違反罪（宿泊させる義務）で宮地簡裁に略式起訴した。

　同簡裁は同社と３人に対し、刑の上限である罰金２万円の略式命令を出した。同社と３人はいずれも納付した。同法違反罪による刑事処分は極めて異例。

　アイスター側は「不服申し立てはせず、５月の連休明けにホテルを廃業する」との声明を出した。

　略式命令によると、同ホテルは、県の事業に参加した国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園（熊本県合志町）の入所者ら２２人の宿泊申し込みを受けたが、昨年１１月１３日、特段の理由がないにもかかわらず宿泊を拒否した。

　旅館業法は宿泊者が明らかに伝染病と認められる場合などを除き、宿泊を断ってはならない、と定めている。入所者はすでに病気が完治し、感染の恐れはないため、県と熊本地方法務局は同月２１日、「重大な人権侵害の疑いがあり、旅館業法に違反する」として刑事告発していた。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040329-00000005-yom-soci